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戸籍法



■戸籍制度

1、戸籍:日本国民一人一人について、出生、結婚、出産、死亡など、身分関係が記されたものを戸籍という。必要時には、戸籍の内容について国が公証(公に証明すること)する。戸籍のある場所を本籍地といい、日本国内であれば自分の好きなところにすることができる

■戸籍事務の管掌者

1、管掌者:戸籍の事務は、市町村長が管掌する(取り扱う)。また、必要に応じて、管轄法務局か地方法務局の長が助言、勧告、指示をできることになっている。

■帳簿

1、帳簿:戸籍法における帳簿は、戸籍簿と除籍簿からなる。

2、戸籍簿:戸籍は1枚の紙にまとめられており、そこには夫婦と子の名前が書かれている。孫や祖父の名前などは書かれていない。これを三代戸籍の禁止という。この1枚の戸籍を集めたものを戸籍簿という。戸籍簿は正副2通作られ、正本は管掌者である市役所や町村役場に保管され、副本は助言などをしてくれる管轄法務局か地方法務局(その支局)に保管される。戸籍簿には日本人だけが載せられ、外国人の記入は無い

3、除籍簿:戸籍に書かれている人は死亡または結婚などをすると戸籍から除かれていくが、最終的に戸籍に書かれていた人全てが除かれた場合、除籍簿として別つづりにされる。

4、戸籍簿の閲覧:戸籍簿の閲覧は現在、廃止されている。しかし、全部の写しである謄本、一部の写しである抄本は見ることができる。誰でもが、誰の戸籍謄本や抄本を、欲しい理由を明らかにすれば郵便などでも請求することができる。ただし、不当目的だと判断された場合は不可能。

■戸籍のルール

1、記載順序:戸籍に記載される順序は、(1)戸籍筆頭者(夫婦のうち名字を名乗るほうの人のこと)、(2)配偶者、(3)子となる。例えば、夫が妻の名字を名乗るのであれば、妻、夫、子の順に記載される。

2、分籍:子が成年になると親の戸籍から抜け、自分を戸籍筆頭者とする戸籍を作ることができる。これを分籍という。分籍は子だけができ、戸籍筆頭者や配偶者はできない。また、子は結婚して自分の名字を名乗ることにより戸籍筆頭者になることもできる。

■届出

1、記載:戸籍法には届出や報告など計8種類の方法により記載すると定められている。

2、届出:届出には創設的届出と報告的届出の2種類がある。創設的届出は婚姻届や離婚届などのことで、届け出るのは自由であり、届け出ることによって身分関係が新たに生まれる。報告的届出は出生届や死亡届などのことで、必ず届け出なければならず、怠ると過料が科されることもある。

3、届出期間:出生届は14日以内、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に届け出なければならない。死亡届は近所に住む人間などが届けなければならないが、死亡に気づかないケースもあるので知った日から7日以内と決められている。

4、届出方法:届出は、書面または口頭による。

■訂正

1、戸籍の訂正:戸籍の間違いが発見された場合、訂正するには発見者により方法が異なる。

2、市町村長の場合:管轄法務局または地方法務局の長の許可を得て行う。

3、本人や利害関係人の場合:家庭裁判所の許可を得て、戸籍訂正を申し立てる。

■不服申立て

1、不服申立て:不服がある場合は家庭裁判所に対して不服申立てをする必要がある。行政不服審査法に基づいての不服申立てはできない。また行政事件訴訟法の適用も無い。

■戸籍の記録

1、記録:戸籍は磁気ディスクにより記録・調製してもよいことになっている。つまり、コンピュータ管理してもよい。これは戸籍簿だけではなく除籍簿についても認められている

■戸籍の再製

1、戸籍の再製:戸籍の訂正は朱抹されるだけなので、消したい場合新しく戸籍を作ることができる。これを戸籍の再製という。例えば、結婚していないにもかかわらず勝手に婚姻届を出されると、訂正しても婚姻届が出された事実は残る。このような場合、戸籍の再製により新しくすることができる。

■戸籍法と住民基本台帳法の違い

1、違い:試験では戸籍法と住民基本台帳法の違いを問う問題が多い。以下の図を参照。


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