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民主政治



■民主政治

1、民主政治:民主政治とは民主主義による多くの国民の支配に基づく政治をいう。理念的には治める者と治められる者とが同一である必要がある。これを治者と被治者の自同性という。

2、民主政治を表す言葉:民主政治を表した言葉として、1863年のリンカーンによる次のような演説がある。「人民の、人民による、人民のための政治」。日本国憲法の前文には、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」、とある。

■民主政治の歴史

1、王権神授説:16世紀ごろのヨーロッパは絶対主義国家の時代であり、王の権力は神から授けられたものという考え方がなされていた。これを王権神授説という。

2、社会契約説:17世紀になると、ホッブス、ロック、ルソーなどの啓蒙思想家が現れ、社会契約説を唱えた。社会契約説とは、人は本来自由であり平等であったが、自らの幸福実現のために契約をして国家を作ったとする考え方である。この社会契約説という考えが市民革命を支え、絶対主義を倒した。

■啓蒙思想家

1、トーマス=ホッブス(1588年〜1679年):ホッブスはイギリス生まれである。自然状態(社会がない状態)を「万人の万人に対する戦い」、つまり闘争状態にあるとした。平和と安全を守るためには、自然権を国家に譲渡し、個人の行為を規制する強大な国家を作ることが必要であるとした。主著に、リヴァイアサンがある。

2、ジョン=ロック(1632年〜1704年):ロックはイギリス生まれである。自然状態を自由と平等と独立に支えられた平和状態にあるとした。しかし、この平和状態は戦争状態に移行する危険をはらんでおり、完全なものではない。完全なものとするためには、自然権の一部を政府に信託し、国家を作ることに同意した。もし政府が市民の意思に反した場合、市民は抵抗権を行使できるとした。主著に、市民政府二論がある。

3、ジャン=ジャック=ルソー(1712年〜1778年):ルソーはフランス生まれである。自然状態を自由で平等な理想状態であるとした。しかし、社会の発展に伴い堕落したと考え、人間本来の姿を回復するため自然に帰れといった。間接民主制では一般意志としての主権は代表されないとし、一般意志に基づく直接民主制を理想とした。主著に、社会契約論がある。

■人権保障の歴史

1、人権保障の歴史:以下の表を参照。


■民主政治の基本原理

1、基本原理:国民主権、基本的人権の尊重(前国家的人権)、法による支配、議会制民主主義、権力の分立(モンテスキューが主張した三権分立、地方自治、二院制など)などがある。

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