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社会保障制度



■社会保障制度

1、社会保障:社会保障とは国民の不安、老後、病気、失業などの生活上の諸問題を国家が様々な面から保障することである。いいかえると、基本的人権のひとつである生存権を国家が保障するということである。

2、生存権:憲法第25条の生存権では次のように書かれている。すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

3、社会保障の歴史:社会保障は生存権に基づく生活保障を市民や労働者が、時の権力や政府に対して要求し勝ち取ってきたものである。イギリスの救貧税がはじまりといわれている。その後、ドイツで1883年はじめて社会保険が実現した。やがて、社会保険は社会保障(社会保障という言葉がはじめて使われたのは、1935年アメリカの社会保障法である)へ、国の責任で全ての人に平等に健康で文化的な最低限の生活を保障する制度へと発展させていった。

4、ILO(Internationnal Labor Oranization):ILOは国際労働機関のことであり、社会保障の最低基準に関する条約で、医療、疾病、失業、老齢など9つの給付をあげている。

5、ビルトインスタビライザー:ビルトインスタビライザーとは景気の自動安定装置のことで、累進課税制度や社会福祉制度などのことである。累進課税制度は景気が好況のときは税収が増えるが、不況のときは税収が減る。社会福祉制度は、景気が好況のときは国民が豊かになり社会福祉に関する支出は減少するが、不況のときは失業者が増え社会福祉に関する支出が増加する。ビルトインスタビライザーは不況が長引くと、税収が減少しているにもかかわらず社会福祉に関係する支出が増え、機能しなくなる

■日本の社会保障制度

1、日本の社会保障制度:日本の社会保障制度は大きく分けると、社会保険と公的扶助の2種類がある。分け方にはこれ以外にもあるようなのでおおまかに覚えると良い。

2、社会保険:社会保険とは国民の生活保障のため、疾病・老齢・出産・失業・死亡など生活を脅かす事由が発生したとき、一定基準の給付を行う保険のことである。健康保険・労働者災害補償保険・雇用保険・厚生年金保険などがこれにあたる。

3、公的扶助:公的扶助とは生活困窮者に対し、国または地方公共団体が最低限度の生活を保障するために経済的援助を行う制度のことである。生活保護(生活・教育・住宅・医療・出産・生業・葬祭の7つの扶助)がこれにあたる。

4、社会福祉:社会福祉とは生活困窮者、身寄りのない老人・児童、身体障害者など、社会的弱者に対する公私の保護および援助のことである。福祉六法(生活保護法・児童福祉法・母子福祉法・老人福祉法・身体障害者福祉法・精神薄弱者福祉法)やノーマライゼーションの考え方がこれにあたる。

5、公衆衛生:公衆衛生とは地域社会の人々の健康の保持・増進をはかり、疾病を予防するため、公私の保健機関や諸組織によって行われる衛生活動のことである。予防接種、公害対策、上下水道の整備、、環境衛生、成人病対策・伝染病予防などがこれにあたる。

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