各国の政治体制 ■アメリカ(大統領制) 1、アメリカの政治体制:アメリカの政治体制の特徴は行政と立法と司法の三権分立が徹底していることにある。アメリカは多数の州が結合して一つの国家を構成している。各州は独自の憲法、議会、裁判所を持ち相互に独立しており、住民の直接選挙により選ばれた知事のもと連邦政府の支配を離れた行政を行っている。 2、大統領:行政の長である大統領には法案提出権と議会解散権はなく、必要な立法措置を教書で議会に要請・勧告する権能が与えられている。法案に反対の場合は拒否権を行使することができる。大統領は各長官を議員以外から任免する。大統領は間接選挙で選ばれ、任期は4年であり、解散や総辞職は無く任期満了までつとめる。また3選は禁止されている。 3、議会:立法府である議会は上院(元老院)と下院(代議院)からなる。上院は定員100名で任期は6年、下院は定員435名で任期は2年である。どちらとも解散や総辞職は無く任期満了までつとめる。上院は高級官吏の任命と条約の締結について大統領に同意権をもち、この点で下院よりも優越する。 4、連邦最高裁判所:連邦最高裁判所は最高の司法機関であり、違憲立法審査権をもつ。連邦最高裁判所判事の任命権は大統領にあるが、上院の助言と承認を必要とする。 ■イギリス(議院内閣制) 1、イギリスの政治体制:イギリスの政治体制はゆるやかな三権分立になっている。イギリスの元首は国王であるが、実際の政治は議会が行う。国王は君臨すれども統治せずと言われる所以である。また、イギリスは成文憲法を持たないマグナカルタ以来の慣習や文書が政治制度の基本構造を形成する不文法国家である。 2、議会と首相:議会は上院(貴族院)と下院(庶民院)で構成され、下院が優越する。首相は下院より選出される。国務大臣は首相により事実上任免される。首相は下院を解散することができる。また下院において内閣不信任決議が行われると内閣は総辞職か下院を解散しなければならない。 ■フランス(半大統領制) 1、フランスの政治体制:フランスの政治体制は大統領に強大な権限が与えられているのが特徴である。大統領と内閣の間には、保革共存(コアビタシオンという)が見られる。 2、大統領:大統領は国民の直接選挙で選ばれ、任期は5年である。首相や閣僚を任命すると同時に国家の体制を維持し基本的な政治の方針を決定する役割などがある。首相は議会の不信任決議を受け可決された場合、大統領に辞表を提出する。 3、議会:上院と下院の二院制である。 ■ドイツ(議院内閣制) 1、ドイツの政治体制:ドイツの政治体制は、連邦政府と首相による議院内閣制である。任期5年の大統領がいるが政治的実権はない。憲法は基本法と呼ばれている。 2、議会:連邦議会と連邦参議院の二院制である。 ■ロシア(大統領制) 1、ロシアの政治体制:ロシアの政治体制は大統領が主導する。従来の社会主義体制から市場経済体制へ移行し、西側自由民主主義諸国と協調する政策をとっている。 2、議会:連邦会議と国家会議の二院制である。 ■中国(権力集中制) 1、中国の政治体制:中国は1982年に採択された憲法では、労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁の社会主義国家とされている。現在の政策は近代化に重点をおいたものであり、経済の対外開放や農村経済改革を推進している。政治体制は、全国人民代表大会を最高権力とする権力集中制であり、元首である国家主席はここより選出される。 2、全国人民代表大会:全国人民代表大会は立法権を行使する最高の権力機関である。日本の国会に相当する。議席数は2977議席であり、一院制である。 3、国家主席:国家主席は中国の元首であり、中国を対外的に代表する。任期は5年であり、全国人民代表大会より選ばれる。 |
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