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景気変動



■景気変動

1、景気変動:資本主義経済において、経済が活動することによりもたらされる景気の浮き沈みを景気変動といい、その繰り返しのことをを景気循環という。変動は需要と供給によりもたらされる。好況期は商品が売れ物価が上がり企業は生産を拡大する。やがて需要と供給のバランスが崩れ生産過剰となり価格が下落し、不況となる。不況期において企業は生産を自粛し投資を控える。やがて在庫がさばけ物価も上がり企業は生産を拡大する。

2、景気変動の局面:景気変動には大きく分けて4つの局面があり、繰り返す。以下の図を参照。

3、景気と通貨の変動:景気と流通する通貨量の変動は一致する。好況期は通貨量が増え、不況期は通貨量が減る。したがって、国が行う経済政策は流通する通貨量を調節するということになる。

4、景気変動の波:有名な景気変動の波に以下のようなものがある。


■インフレーション(インフレ)

1、インフレ:インフレとは物の値段が上がることである。定義としては流通通貨量が増加することによって貨幣の価値が下落し、その結果として相当期間継続して物価が上昇する現象を言う。

2、インフレの原因:インフレの原因には大きく分けて、ディマンド・プル・インフレとコスト・プッシュ・インフレの2種類がある。

3、インフレの影響:インフレは所得の不平等を拡大させる。特に、年金生活者や生活保護受給者や定額賃金労働者などは、実質的な所得が減り不利益をこうむる。また貯蓄の元金も目減りする。他方、債務者には有利で、借金の実質的価値は減る。

4、インフレの速さ:インフレには物価が上がるまでの速さに種類がある。以下の図を参照。


■デフレーション(デフレ)

1、デフレ:デフレとは物の値段が下がることである。定義としては、商品の流通に必要な通貨量以下に実際の通貨供給量が収縮し、貨幣価値が上昇して物価が下落することである。政府はこの物価下落の状態が2年以上継続して続けばデフレとしている。

2、デフレの影響:デフレになると有効需要が減り、消費が縮小し、産業界は不況に陥る。企業は投下した資本が回収できず倒産したり、従業員を削減するので失業者が増える。

3、過去の日本のデフレ:1882年松方蔵相の紙幣整理によるデフレ、1930年井上蔵相の金解禁によるデフレ、1949年ドッジ・ラインの国債償還によるデフレがある。

4、デフレ・スパイラル:スパイラルとは螺旋のことで、螺旋のようにデフレが進行することである。


■スタグフレーション(不況下の物価高)

1、スタグフレーション:スタグフレーションとは景気が停滞しているにもかかわらず、物価が継続的に上昇していく状態のことである。1973年の第一次オイルショックの時、日本で見られた。

■日本の高度経済成長期の景気

1、高度経済成長:1955年以降日本は奇跡的な成長を遂げた。この時期を高度経済成長期という。1956年の経済白書では、もはや戦後ではないと宣言された。1968年には国民総生産(GNP)はドイツを抜き、アメリカに次ぐ世界第二位に上昇した。この時代、テレビ、冷蔵庫、洗濯機を三種の神器といった。1973年の石油ショックまでこの成長は続くことになる。

2、高度経済成長の要因:高度経済成長の要因は、高い貯蓄率、企業の盛んな設備投資、輸出促進、技術導入などがあげられる。

3、高度経済成長による歪み:高度経済成長は国民所得の倍増や物質面での豊かさをもたらし、国民の間に中流意識を定着させた。だが、第一次産業の衰退、都市の過密化と地方の過疎化、公害問題、長時間労働など様々な社会問題を生み出した。

4、高度経済成長期の景気変動:以下の図を参照。昭和30年は1955年である。


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