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商法



■商法

1、商法:商いのための法律を商法という。

2、商人:商行為をする人のことを商人という。

3、商法の適用:商法は、商行為を行う人に対して適用される。商法では、借金は5年たてば消滅(民法では10年)する。借金の利息は約束していなくても年6%とることができる(民法では約束の無い場合は取れない。利率を決めずに取ると約束した場合は年5%とることができる。)。また、商法はどちらか一方だけが商行為の場合でも適用される。例えば、AがBにお金を貸したとき、AとBが一般人だと民法が適用されるが、Bが会社運営のために一般人のAからお金を借りた場合は商法が適用される。

4、商号:商人が営業上使用する名前のことを商号といい、会社の種類に応じて必ず「株式会社」とか「有限会社」などの文字を使う必要がある。同じ市町村内で同じ営業の場合は、同じ商号を使うことはできない

■商行為

1、商行為:商法では商行為の定義を、絶対的商行為、営業的商行為、附属的商行為の3つに分けて定めている。

2、絶対的商行為:当然に商行為と考えられるものを絶対的商行為という。例えば、証券取引所で株式を買う行為。

3、営業的商行為:営業(お金を稼ぐ行為のこと)としてなされた場合に限り商行為と考えられるものを営業的商行為という。例えば、電気を無料で供給すれば商行為ではないが、お金をとって提供すれば商行為となる。

4、附属的商行為:商人が営業をするためにする行為を附属的商行為という。例えば、商人が事業を拡大するために銀行からお金を借りること。

■会社

1、会社:商行為は一人ででもできるが、多人数で行ったほうが大規模にできリスクを分散することができる。そこで作られたのが会社の制度で、商法には合名会社、合資会社、株式会社の3つが規定されている(有限会社は商法ではなく有限会社法に規定されている)。一般的に社員とは会社で働く人のことを言うが、商法では出資者(資本金を出す人)のことをいう。

2、合名会社:無限責任社員のみで形成された最も小規模な会社の形態を合名会社という。無限責任とは責任を無限に負うことで、無限責任社員とは責任を無限に負う出資者のこと。例えば、会社が倒産し借金が1000万円、財産が500万円あったとする。この場合、無限責任社員は自分の財産から500万円を借金返済に返さなければならない。

3、合資会社:無限責任社員と有限責任社員からなるやや規模の大きい会社の形態を合資会社という。有限責任社員とは自分が出資した額を限度に責任を負えばよい出資者のこと。例えば、会社が倒産し借金が1000万円、財産が500万円あったとする。この場合、有限責任社員は自分の財産から返済する義務は無い(自分が出資したお金は返ってこないが)。

4、有限会社:有限責任社員のみで形成された株式会社よりも規模の小さい会社の形態を有限会社という。

5、株式会社:有限責任社員のみで形成された最も大規模な会社の形態を株式会社という。

■株式会社

1、株式:商法では株式会社の社員としての地位のことを株式といい、規模の大きな会社を運営するために、社員としての地位を細かく分けて売っている。もちろん、普通の売買される株の意味もある。株式は会社に買い取ってもらうことはできないが、他人に自由に売買することによりお金に換えることができる。これを株式譲渡自由の原則という。例えば、AがB社の株式を購入したが後日お金に困って株を換金したくなった場合、B社に株式を買った値段で買い取ってくれということはできないが、他の人に売ることによってお金にすることができる。

2、株主:株式を持っている人のことを株主という。株主には株主総会で議決権を行使する権利や利益の一部をもらえる利益配当請求権などがある。

3、株主総会:株主を集めて会社の基本的な事柄を決める会議を株主総会という。通常年に一回一定の時期に行われる定時総会と必要な場合に招集して行われる臨時総会がある。基本的に、招集を決めるのは取締役会だが、株主が招集を請求することができる場合もある。その場合、6ヶ月前から総株主の議決権の100分の3以上の株式を持っている必要がある。また、総会が開かれる2週間前には各株主に通知を出す必要があり(書面、承諾があれば電子メールなどでも可能)、この期間は原則として短縮することはできない

4、株主総会の議決:株主は株式1株について、1議決権を持つ。2株以上持っている場合、1株を賛成、1株を反対というように不統一に行使することができる(不統一行使)。総株主の議決権の過半数にあたる株主が出席しなければ株主総会では様々なことを決定できない。そして出席した株主が持つ議決権のうち過半数の賛成があれば議決される。これを普通決議という。取締役の解任など特別な一定事項に関しては3分の2以上の賛成が必要で、これを特別決議という。

5、取締役:取締役とは取締役会の構成員のことで、株主総会で選任され任期は原則2年。会社の株主でなくても普通決議で選任されれば取締役になることができる。

6、取締役会:取締役会とは業務執行に関する会社の意思決定機関のことで、会社の経営についての決定権などを持つ。株主になれば誰でも株主総会に参加できるが、経営については経営のプロである取締役会に任されている。

7、取締役会の招集と議決:取締役会は取締役であれば原則として誰でも招集できる。少なくとも1週間前には各取締役に通知する必要があり、この期間は一定の手続きがあれば短縮できる。取締役は1人につき1票の議決権を持ち、取締役会に取締役の過半数が出席して、その過半数の賛成があれば議決される。

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